それでも、日本人は「戦争」を選んだ 3章〜

 引き続き後半を読む。

 第一次大戦から日本が太平洋戦争で負けるまでに、韓国、満州へと日本の支配領域を広げていく様子がさまざまな人物の書物を通じて、克明にされる。日本人だけの見解だけでなく、中国、アメリカ、ソヴィエトなどの海外の権力者の書物も紹介しており、日本人からだけでない、多角的な見解を交えて一つひとつの戦争を分析する。

 とはいえ、戦後三十年以上も後に生まれて育ったものからすると、太平洋戦争で負けてしまう事実を知っているので、日本語がパリ講和条約以降、進める植民地政策は誤った方へ突き進んでいるようにしか見えない。判断の誤りが目に付く。

 帝国主義がはびこ20世紀。日本は中国に戦争を仕掛けなければならなかったのだろうか。お隣の国と仲良くやっていくのは、無理なことなのか。日本が東アジアとの関係において、奇妙な態度をずっととってきたとしか思えない。これまでの歴史認識を改める一冊となった。