2016年発行。村田沙耶香が書いた小説。
結婚もせず、コンビニで勤務する主人公は、世の中から放り出されないように、まじめに勤務をする。人と考え方が違い場の空気を壊してしまう傾向にあるので、店舗に勤める人たちから話し方やファッションを学び、ふつうの人間になろうとする。
就職もせずコンビニで勤務することの大変がよくわかる小説だ。友達からは結婚もしていないのに、コンビニ勤務をし続けることに、奇妙なことのような発言を受けるが、私からすると、コンビニ勤務だろうが、正社員じゃなかろうと同じ職にずっと付き続けることはとてもすごいことだと思われるのだが。
社会の中にみんなの中にどう溶け込むのか。生まれてきた以上大きなテーマとなる。コンビニ業務の部品として生きることの人生に希望はあるのだろうか。それはどんなサラリーマンもまた同じ境遇のはず。充実した日々を過ごしたいそんな渇望をこの小説は言っている。