2012年、柳美里作。
主人公は偏差値40の学校に通う女子高校生。卒業しても、ろくな就職先はないだろうと悲嘆にくれている。
学校は一人の子に仕切られ、自分の思いが出せない。家族は両親の仲が悪く、別居の話題もあって居心地が悪い。ネットでは自殺志願者を誘い、一緒に死んでくれる人を募る日々。
自殺決行当日、仲間4人と車をつかった練炭自殺を図るが、最後のところで思い止まる。
意識が遠のく中、祖母の声が聞こえてくる。一命を取り止めたのは、大切な人の存在。
この世に生きるかぎり、生きるに値するもので、
生命の力とは人と人との関わりの中で、培われるものかもしれない。